参考 抄録例





例:1.原著論文(農学)
 〔標題〕0〜60日の低温湿層処理を施したケヤキの種子の発芽に対する光と温度の影響


 〔方法〕ケヤキの種子に0,7,15,30,60日間の低温湿層処理(以下,冷処理という)を施した。
     冷処理期間が長いほど発芽率が高くなり,また発芽に要する日数が減った。暗所で定温
 〔結果〕に保つ場合,発芽のための適温は冷処理をしない種子では15℃;30日,60日間の冷処理
     を施したのではそれぞれ10〜20℃,10〜30℃であった。暗所で温度を変化させると,定
     温の場合よりも発芽率がよくなった。また,散光を当てると,定温の場合にも温度を変
     化させた場合にも発芽率がややよくなった。ただし,冷処理期間が長くなると温度変化
     と散光照射の影響は目立たなくなり,60日間の冷処理を施した種子では全く影響がみら
     れなかった。


 Influence of seed bed temperature and irradiation on the germination of Zelkowa serrata prechilled for 0〜60 days.
 Zelkowa serrata seeds were prechilled for 0,7,15,30 and 60 d. It was found that the longer the prechilling preiod the higher was the germination rate and the shorter was the time required for germination. When kept in the dark and at a constant temperature,the optimum seed bed temperature for germination was 15℃ for non-prechilled seeds,10〜 20℃ for those prechilled for 30 d. and 10〜30℃ for those prechilled for 60 d. When,in the dark,the bed temperature was varied,the germination rate was increased. Irradiation by diffused light also caused some increase in germination rate,whether the temperature was constant or varying. However,the influence of varying temperature and diffused light irradiation was lessened if the prechilling was prolonged,no effects were observed with the seeds prechilled for 60 d.





例:2.原著論文(化学)
 〔標題〕ジクロロジフルオロメタンとエタンとの熱反応の生成物と初期反応過程


 〔目的〕フルオロエチレン類の合成を目的として,ジクロロジフルオロメタン(CCl F)とエタ
     ン(CH)との混合ガスの熱分解を研究した。球形反応器内で高温水蒸気で希釈して,
     同時にその熱によって反応温度に加熱する常圧気相流通法を用いた。反応条件は700〜
 〔結果〕810℃,滞留時間 0.05〜0.6s,はじめの水蒸気濃度30〜90%,CHまたはHとCCl F
     のモル比0.1〜6である。生成物は1,1―ジフルオロエチレン,テトラフルオロエチレン,
     エチレン,1―フルオロエチレン,クロロジフルオロメタン(CHClF),ジフルオロメタ
     ン,ヘキサフルオロプロペン,および数種の未確認の物質であった。
 〔結論〕低反応率ではCHClFが生成物の大部分を占める。また,初期反応生成物はCHClFであ
     ることが明らかになった。本反応は,CHClFの熱分解で生じる:CFをおもな中間体
     として進行するものとして,統一的に説明することができる。




例:3.原著論文(電気工学)
 〔標題〕 半導体超微小ホール素子と磁気バブル磁界分布の直接測定への応用


 〔方法〕 単結晶InSbを用いて有効な動作領域が約5×5μmの超微小ホール素子を作製
した。その構造,製作法および電気特性について記述し,これを用いて大きさ5×5mm
 〔結果〕 程度の磁気バブルから生じる漂遊界分布を直接測定した。この結果は,磁気バブル
      の理論的な磁界分布と極めてよく一致し,この種の磁界分布の精密測定に半導体微小ホ  〔結論〕 ール素子が極めて有効であることが実証された。また,磁界分布測定は,磁気バブルの  〔方法〕 みならず,平行に並んだしま状磁区や局部的イオン打込みした磁性ガーネット薄膜につ
 〔結果〕 いても行い,新たな知見を得た。
 〔その他 なお,付録に平行整列したしま状磁区の漂遊磁界を求める計算式を示した。
  の情報〕




例:4.原著論文(医学)
 〔標題〕 肝細胞癌の組織像と非癌部病変およびHBウィルス感染との関係
 〔目的〕 B型肝炎ウィルス(HBV)または肝硬変症に関連して発生する肝細胞癌と,これ以外の
 〔方法〕 肝細胞癌とは,発生病理が異なるのではないかという想定で,84例の肝細胞癌の剖検例
      を研究した。癌の組織像を観察・分類し,また非癌部の肝硬変の有無とHBV感染の有
      無を調べた。組織像は,基本像が索状構造である通常型と,それ以外の特殊型とに大別
      し,それらを更に細かく分類した。84例のうち,通常型が72例(86%),特殊型が12例
 〔結論〕 (14%),また肝硬変合併例が68例(81%),HBV感染例が24例(29%)みられた。肝硬
      変合併例には通常型のものが圧倒的に多かったが,非合併例では通常型と特殊型とがほ
      ぼ同数であった。HBV感染は通常型では32%,特殊型では8%であった。以上の結果は,
      肝硬変の合併の有無,HBV感染の有無によって肝細胞癌の発生病理が異なることを示唆
      している。




例:5.短報(化学)

 〔標題〕 鉄(III)とテトラヒドロホウ酸ナトリウムを併用した原子吸光分析による無機水銀と有
      機水銀との分別定量


 〔原理〕 無機・有機水銀は,鉄(III)が存在するとき,p H2〜8でテトラヒドロホウ酸ナトリウム
 〔方法〕 によって還元される。しかし,p H10以上では,鉄(III)の存否にかかわらず,無機水銀
 〔結果〕 だけが還元される。このことを利用して原子吸光法による分別定量を試みた。定最範囲
      は0.2〜8p p b,5p p bレベル以下での標準偏差は2%以下である。




例:6.総説(物理学)
 〔標題〕 サブミリメートル波の検出技術


 〔対象〕 波長1mm〜20μmの放射の検出および自動測定の技術を展望する。いちおう全分野を見
 〔内容〕 渡すようにつとめるが,ここ数年の発展に重点をおく。各種の検出器の特性,および自
      動測定系(とくにビデオ型とヘテロダイン型のもの)の性質についての概論を簡潔に述
      べる。次に,実際に使われている検出器を各論的に展望する。実用検出器の大部分は,
 〔考察〕 温度敏感型,整流型,光電導型のどれかに属する。結像装置と,ヘテロダイロン系の現
      状にも触れる。昔からの装置も,新しいものも着実に進歩しつつあるが,著者の見解で
      は,今後の発展のためには,検出器の性能の正確な較正法を確立することがキー・ポイ
      ントになる。




例:7.紹介記事(土木工学)
 〔標題〕 インターロッキング・ブロック舗装


 〔対象〕 互にかみ合うような形につくったコンクリートブロックを路盤上に敷き並ベ,砂などで
 〔内容  目地詰めした舗装。見て美しく,耐久性もよく,補修も容易である。交通の面から見れ
  特徴〕 ば車の走行は快適で,雨のときのスリップ防止,騒音防止にも役立つ。また恒久的な路
      面標示に利用できる。歩道はもちろん,車道にも使える。この種のブロックのマスプロ
      製造機も国産化されている。



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