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引用文献と参考文献-2020年03月10日

他の著作物を、必要な限りにおいて一部複製することを、引用(著作権法第32条)といいます。
引用の方法は、正当な範囲内で、同一性保持権を侵害せず、出所の表示をするなどのルールに従って行う必要があります。

出所の表示は、一般的には、著作者名、題号、掲載媒体名、出版社等、URLなどを明記することになりますが、記載方法に厳密なルールはありません。
ただし、学術論文などではこの他にも発行年月日、巻・号・ページ、その他の情報を掲載することが多く、一定の慣行があります。

学術論文における参考文献の記載方法の指針を定めたものが、「科学技術情報流通技術基準」(SIST)として取りまとめられています。

一方、このような引用文献のことを参考文献と称することもありますが、他の著作物を一部複製することはないが、内容を参照・参考にした場合に、参考文献ということもあり、本来は後者の意味合いであると考えられます。

「科学技術情報流通技術基準」(SIST)では、引用文献と参考文献とを区別せずに、参考文献として取り扱っています。
学術論文などでは、読者の便宜に資するほか、参考文献の著作者への敬意、さらに参考にした部分と独自の部分との区別をできるようにするため等の理由から、所定の方法で掲載することが公正な慣行であるといえます。

引用の要件

引用について、著作権法第32条では、下記のように規定されています。

「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」

「国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。」

出所の明示について、著作権法第48条では、下記のように規定されています。

「次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
 一 第三十二条(中略)の規定により著作物を複製する場合」

「前項の出所の明示に当たっては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。」

つまり、下記の要件を満たしている必要があります。

公開された著作物であること
引用の必然性(公正な慣行に合致していること)
区分明確性(引用文であることを明確に区別していること)
本文と引用部分の主従関係の明確性(引用の目的上、正当な範囲内であること)
出所の明示

たとえば、他の著作物中の写真や図表を転載してしまうことは、一般的に、上記の引用の正当な範囲を超えると考えられることが多く、複製権を侵害するおそれがあるため、著作権者の許諾が必要になります。
なお、類似の言葉として「転載」という言葉がありますが、著作権法では「複製」を意味し、引用の条件を満たさないものについては、著作権者の許諾が必要になります。
著作権者の許諾を得て掲載等する場合でも、出所の表示を行うことが公正な慣行であるといえます。

なお、複製をしていない場合であっても、元の著作物を参考にし、文章の流れや内容の展開など、全体的に同じような内容の著作物としてしまうと、翻案権の侵害となるおそれがあります。
詳しくは著作権者や専門家に確認をとったほうがよいケースもありますので、注意が必要です。


* 参考 「著作権」金原商標登録事務所
https://kanehara.com/copyright/

引用文献・参考文献の記述ツール-2020年02月06日

SIST 02(参照文献の書き方)に準拠したものとして、「引用・参考文献の書き方」作成テンプレート」(日外アソシエーツ)が公開されています。

引用・参考文献の書き方」作成テンプレート
http://inyo.nichigai.co.jp/ 日外アソシエーツ

和文、欧文それぞれの、図書1冊、翻訳書、図書の中の1部分、雑誌記事、会議資料の1論文、レポート1冊、Webサイト・Webページでの記載方法に対応しています。

この他、既存の文献管理ソフトやワープロソフトには、各種の引用記載スタイルに対応した文献リスト作成機能が実装されているものがありますが、記載方式や操作方法などは各ソフトの使用方法をご参照ください。

引用文献・参考文献と本文との関連付け-2020年02月06日

引用文献・参考文献と本文との関連付けの方式には、大きく分けてバンクーバー方式とハーバード方式とがあります。

バンクーバー方式

バンクーバー方式 (Vancouver referencing system) は論文での出典の示し方です。
参考文献と本文を引用順の文献番号で関連付け、参考文献の列挙を引用順に行うため、引用順方式ともいいます。

本文では、文献番号は算用数字を用い、 出典を示すべき記述の直後に、丸かっこ (1) 、かぎかっこ [1] 、上付き文字等にした文献番号を置きます。

参考文献の欄では、本文に対応した文献番号順(本文での引用順)に参考文献を列挙し、書誌を記載します。

ハーバード方式

ハーバード方式 (Harvard referencing system) は、論文で引用した引用文献や、参考文献の出典を、著者の姓と発行年に基づき記載する方法です。
著者名・発行年方式 (author-date referencing system[2])、挿入方式 (parenthetical referencing system) ともいいます。

引用文献、参考文献の書誌を、論文末尾にまとめて列挙します。
列挙する順序は、著者姓と発行年の昇順とし、本文での言及を著者姓と発行年のみで行う方式です。
参考文献を列挙する章は、「参考文献」 (References)、「文献目録」 (Bibliography)、「参照文献」、「引用文献」のように題します。

参考文献の役割-2019年12月09日

参考文献の役割にはいろいろありますが、主として下記があげられます。

自身の論文の新規性、独創性、信頼性の明確化
先行する著者(先人・先輩)に対する敬意
出典の明示
読者に対する情報提供

したがって、参考文献の記載をするには、参考文献を読者も閲覧できるように、十分に正確な文献情報(書誌要素)を示すことが求められます。

参考文献・引用文献を明示する記載場所は、参照・引用等を行った箇所のすぐ後や、当該ページの欄外などに記載する方法のほか、各章の末尾にまとめて記載したり、論文や書籍全体の巻末にまとめて記載したりという方法があります。
いずれの場合にも、読者の便宜と、出所を明示する目的にもっとも合致したわかりやすい方法を採用することが必要です。

参考文献の文献情報の記述が不十分であると、参考文献の原文を探し当てることができなかったり、どこに文献情報の記載があるのか見つけるのが難しかったりということになってしまうおそれがあります。
これでは読者にも、参考文献著者にも失礼です。

科学技術情報流通技術基準(SIST:Standards for Information of Science and Technology)では、参考文献を記載するための標準を指針として策定し公表しています。
雑誌や出版社などによっては独自の記載方法を定めているところもあり、SISTもあくまでも指針ですので、これと異なる記載方法でもよいですが、著者名、発行者名、文献標題など、記載すべき項目には基本的に違いはありません。
 


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